小型遠心分離機の使い方|卓上遠心機を使う前に確認したいポイントとは?

小型遠心分離機の使い方と、卓上タイプを使う前に確認したいポイントを示すメイン画像

小型遠心分離機は、研究室や検査室などで少量のサンプルを遠心分離する際に使われる実験機器 です。卓上タイプであれば作業台や実験台に設置しやすく、サンプル調製や前処理の流れの中で使いやすい点が特徴です。

遠心分離機は、サンプルを高速で回転させ、密度や比重の違いによって成分を分離する装置です。沈殿物を集める、上清を分ける、液体中の粒子を回収するなど、研究や検査のさまざまな場面で使用されます。

ただし、小型遠心分離機といっても、対応するチューブ容量や処理本数は機種によって異なります。1.5mLや2.0mLのマイクロチューブに対応した機種もあれば、15mL・50mLの遠沈管やコニカルチューブに対応した卓上遠心機もあります。

そのため、小型遠心分離機を選ぶ際は、 本体サイズだけでなく、使用するチューブの容量、処理本数、回転数、遠心力、タイマー、安全機能などを確認することが大切 です。本記事では、15mL・50mLの遠沈管やコニカルチューブを使用する場合を例に、使用前に確認したいポイントを解説します。


この記事の要点

  • 小型遠心分離機は、研究室や検査室で少量のサンプルを分離・沈殿させるための実験機器です。
  • 遠心分離機は、サンプルを高速で回転させ、密度や比重の違いによって成分を分ける装置です。
  • 小型遠心分離機でも、対応するチューブ容量・形状・処理本数は機種によって異なります。
  • 遠心分離機を選ぶ際は、rpmだけでなく、g/RCF、タイマー、安全機能も確認することが大切です。
  • 15mL・50mLの遠沈管やコニカルチューブを使う場合は、対応容量とチューブ側の耐遠心力も確認しましょう。
  • BS-LC-500-6は、15mL/50mL遠沈管・コニカルチューブを最大6本まで遠心できる卓上遠心機です。

小型遠心分離機とは

小型遠心分離機とは、比較的少量のサンプルを遠心分離するためのコンパクトな遠心分離機 です。卓上に設置できるタイプも多く、研究室や検査室の作業台、実験台などで使用しやすい点が特徴です。

遠心分離機には、大量の原料や廃液などを処理する工業用の大型機から、研究・検査・教育用途で使われる実験用の小型機まで、さまざまな種類があります。小型遠心分離機は、その中でも少量のサンプルを扱う場面に向いており、サンプル調製や前処理、沈殿物の回収、上清の分離などで使用されます。

ただし、 「小型」といっても、対応するチューブ容量は機種によって異なります。 マイクロチューブ専用のミニ遠心機もあれば、15mL・50mLの遠沈管やコニカルチューブに対応した卓上遠心機もあります。そのため、遠心分離機を選ぶ際は、本体サイズだけでなく、どの容量のチューブを何本遠心できるかを確認することが大切です。


遠心分離機は何に使う?

遠心分離機は、液体中に含まれる成分を密度や比重の違いによって分けるために使います。 サンプルを高速で回転させることで遠心力を発生させ、重い成分を沈殿させたり、上清と沈殿物を分けたりすることができます。

小型遠心分離機や卓上遠心機は、主に次のような場面で使用されます。

使用場面 内容
サンプル調製 実験前の前処理として、液体中の成分を分ける
沈殿物の回収 遠心後にチューブ底部へ集まった沈殿物を確認・回収する
上清の分離 沈殿物と上部の液体を分ける
洗浄工程 サンプルを遠心し、上清を除去して再懸濁する工程で使う

15mL・50mLの遠沈管やコニカルチューブは、ある程度まとまった量のサンプルを扱う際に使われることが多く、マイクロチューブよりも容量が大きい点が特徴です。そのため、15mL・50mLチューブを使う場合は、それらに対応した卓上遠心機を選ぶ必要があります。


遠心分離機の仕組み

遠心分離前から遠心後まで、粒子が沈殿していく流れを示す図

遠心分離機は、サンプルを入れたチューブを高速で回転させることで、遠心力を発生させる装置 です。遠心力がかかることで、サンプル中の成分は密度や比重の違いに応じて分かれやすくなります。

自然に置いておくだけでも、重い成分が沈む場合はあります。しかし、遠心分離機を使うことで、 重力よりも大きな力を短時間で加えられるため、分離や沈殿を効率よく進める ことができます。

遠心分離機の性能を見る際には、主に以下の項目が関係します。

項目 意味
rpm 1分間あたりの回転数
g / RCF サンプルにかかる遠心力の目安
対応チューブ 使用できるチューブ容量や形状
最大本数 一度に遠心できるチューブ本数
タイマー 遠心時間の設定範囲
安全機能 異常時停止、緊急停止など

仕組みそのものは「遠心力で成分を分ける」というシンプルなものですが、実際に使う際は、サンプルやチューブ、遠心機本体の仕様を確認することが重要です。


小型遠心分離機の使い方で確認したいポイント

小型遠心分離機を使用する際は、あらかじめ 使用するチューブやサンプル、遠心条件に合った機種かどうかを確認することが大切 です。
同じ小型遠心分離機でも、対応するチューブ容量や処理本数、回転数、遠心力、安全機能は機種によって異なります。
ここでは、卓上タイプの小型遠心分離機を使う前に確認したい主なポイントを紹介します。


使用するチューブ・容器に対応しているか

まず確認したいのは、使用するチューブや容器に遠心分離機が対応しているかです。
小型遠心分離機には、1.5mLや2.0mLのマイクロチューブに対応したもの、15mLや50mLの遠沈管・コニカルチューブに対応したものなどがあります。

本体サイズが小さいからといって、すべてのチューブに対応しているわけではありません。 使用予定のチューブ容量や形状に合っているかを、事前に確認することが重要です。

また、チューブ側にも耐えられる遠心力の目安があります。遠心機本体の仕様だけでなく、使用するチューブの仕様もあわせて確認しましょう。


一度に処理したい本数に合っているか

次に、一度に処理したいチューブ本数に合っているかを確認します。
少量のサンプルを数本だけ処理する場合と、複数本をまとめて処理する場合では、適した遠心分離機が異なります。
研究や検査の流れの中で、何本程度のチューブを同時に扱うことが多いのかを考えておくと、機種を選びやすくなります。


回転数 rpm と遠心力 g を確認する

遠心分離機の仕様では、回転数を示すrpmと、遠心力を示すgまたはRCFが記載されていることがあります。
rpmはローターが1分間に何回転するかを示す数値で、gはサンプルにかかる遠心力の目安です。
同じrpmでも、ローターの半径によってgの値は変わります。そのため、遠心分離機を選ぶ際は、 最大回転数だけでなく、最大遠心力も確認することが大切 です。


タイマー設定を確認する

遠心分離では、どのくらいの時間遠心するかも重要です。
用途によって短時間でよい場合もあれば、一定時間の処理が必要になる場合もあります。
タイマーの設定範囲や設定しやすさを確認しておくと、作業の流れに合った遠心分離機を選びやすくなります。


安全機能を確認する

遠心分離機は高速で回転する機器のため、安全機能も確認しておきたい項目です。
異常振動や異常発熱が起きた場合の停止機能、緊急停止機能、フタまわりの安全設計などは、機器選定時の重要な確認ポイントになります。
使用時の詳しい条件や取り扱いは、使用する機種の取扱説明書や施設のルールに従って確認しましょう。


rpmとgの違い

rpmとg/RCFの違いに疑問を持つ男性のイメージ画像

小型遠心分離機や卓上遠心機を選ぶ際に確認したい項目として、「rpm」と「g」があります。どちらも遠心分離機の性能や遠心条件に関わる数値ですが、意味は異なります。

rpmは、ローターが1分間に何回転するかを示す回転数 です。たとえば4000rpmであれば、1分間に4000回転することを表します。

一方、 gまたはRCFは、サンプルにかかる遠心力の大きさを示す目安 です。遠心力は回転数だけでなく、ローターの半径によっても変わります。そのため、 同じrpmでも、機種やローターの構造によってサンプルにかかるgの値が異なる場合があります。

遠心分離機を選ぶ際は、最高回転数だけでなく、最大遠心力も確認することが大切です。特に、使用するチューブやサンプルに遠心条件の目安がある場合は、遠心機本体のrpmとg、チューブ側の耐遠心力をあわせて確認しましょう。

項目 意味 確認する理由
rpm 1分間あたりの回転数 回転速度の目安になる
g / RCF サンプルにかかる遠心力 実際の分離条件に関わる
最大遠心力 機種が出せる遠心力の上限 使用目的に合うか判断しやすい
チューブの耐遠心力 チューブが耐えられる遠心力の目安 容器の破損リスクを避けるために確認する

rpmとgは似たように扱われることもありますが、遠心分離機の仕様を見る際は分けて考える必要があります。回転数だけで判断せず、使用するチューブやサンプル条件に合うかを確認することが重要です。


卓上タイプを選ぶときに見る仕様

小型遠心分離機の中でも、 卓上タイプは作業台や実験台に設置しやすく、研究室や検査室の限られたスペースでも使いやすい点が特徴 です。サンプル調製や前処理の流れの中で使用しやすいため、少量のサンプルを扱う場面に向いています。

卓上タイプを選ぶ際は、まず「どのような容器を使うか」「一度にどのくらい処理したいか」「設置場所に合うか」を確認します。小型の遠心機であっても、マイクロチューブ用、遠沈管用、PCRチューブ用など、対応する容器は機種によって異なります。

確認項目 見るポイント
使用する容器 マイクロチューブ、PCRチューブ、遠沈管など、使用予定の容器に合っているか
処理量 一度に処理したいサンプル数や容量に合っているか
設置性 作業台や実験台に置きやすいサイズか
操作性 速度や時間を設定しやすいか
安全機能 異常時停止や緊急停止などに対応しているか
電源 使用場所の電源環境に合っているか

このように、卓上タイプを選ぶときは、 本体サイズだけでなく、使用する容器や作業環境に合っているかを確認することが大切 です。特に、15mL・50mLの遠沈管やコニカルチューブを使う場合は、対応できる機種が限られるため、次の項目で詳しく確認します。


15mL・50mL遠沈管を使用する場合の確認項目

遠沈管やコニカルチューブを使用する場合は、チューブの容量や形状に対応した遠心分離機を選ぶ必要があります。 ここでは、15mL・50mLの遠沈管やコニカルチューブを例に、確認したいポイントを整理します。

15mL・50mLのチューブは、1.5mLや2.0mLのマイクロチューブよりも容量が大きいため、 すべての小型遠心分離機で使用できるわけではありません。 小型遠心分離機の中にはマイクロチューブ専用の機種もあるため、使用予定のチューブ容量に対応しているかを確認することが大切です。

確認したい主な項目は、次の通りです。

確認項目 内容
対応容量 15mL・50mLの遠沈管やコニカルチューブに対応しているか
対応本数 一度に何本まで遠心できるか
最大回転数 使用目的に合うrpmに対応しているか
最大遠心力 必要なg/RCFに対応しているか
チューブの耐遠心力 使用するチューブ側の仕様に合っているか
タイマー 必要な遠心時間を設定できるか
安全機能 異常時停止や緊急停止などに対応しているか

15mL・50mLの遠沈管を使う場合は、 遠心分離機本体の対応容量だけでなく、使用するチューブ側の耐遠心力も確認しましょう。 遠心機本体が対応していても、チューブ側の仕様が遠心条件に合っていない場合は、使用に適さないことがあります。

遠心分離に使用する15mL・50mLチューブを探している場合は、ビットストロングの「コニカルチューブ(遠沈管)BS-TUBE-CTBシリーズ」も確認できます。15mL、50mL、50mL自立型などのラインナップがあり、遠心分離やサンプル調製に使用しやすいチューブです。

また、遠沈管とコニカルチューブは近い意味で使われることがあります。 遠沈管は「遠心分離に使う管」という用途に注目した呼び方で、コニカルチューブは「底が円すい形になったチューブ」という形状に注目した呼び方 です。

呼び方の違いや、遠心分離機で使用するチューブを選ぶ際の考え方について詳しく知りたい方は、関連記事の「遠沈管とは?コニカルチューブとの違い・用途・選び方を解説」もあわせてご確認ください。


15mL/50mL遠沈管対応の卓上遠心機をお探しの方へ

フタを開けた状態と閉じた状態のBS-LC-500-6卓上遠心機

15mL・50mLの遠沈管やコニカルチューブを使用する場合は、対応容量、処理本数、回転速度、最大遠心力、タイマー、安全機能を確認して、用途に合った卓上遠心機を選ぶことが大切です。

ビットストロングの卓上遠心機 BS-LC-500-6は、15mL/50mLの遠沈管・コニカルチューブに対応した卓上遠心機 です。最大6本まで同時に遠心でき、研究室や検査室でのサンプル調製、前処理、沈殿物の回収などに使用しやすい仕様です。

項目 BS-LC-500-6の仕様
回転速度 500〜4000rpm
最大遠心力 2146×g
タイマー範囲 30秒〜59分50秒
対応チューブ 15mL/50mL コニカルチューブ・遠沈管 ×6本
電源 100V 50/60Hz
電力 80W
本体寸法 400×300×200mm
主な機能 プログラムメモリー機能、PWM電子速度制御、緊急停止スイッチ、異常発熱・振動時の緊急停止機能

詳しい仕様や在庫状況は、以下の製品ページでご確認いただけます。

BS-LC-500-6は、15mL・50mLの遠沈管やコニカルチューブを使用する場面で、対応容量や処理本数を確認しながら選びやすい卓上遠心機です。遠心分離機とあわせて使用するチューブをお探しの場合は、以下の製品ページも参考になります。 


よくある質問

Q. 小型遠心分離機は何に使いますか?

小型遠心分離機は、少量のサンプルを遠心力によって分離・沈殿させるために使います。研究室や検査室で、サンプル調製、沈殿物の回収、上清の分離、前処理などに使用されます。


Q. 小型遠心分離機と卓上遠心機は同じですか?

完全に同じ意味ではありません。小型遠心分離機は、サイズや処理量が比較的小さい遠心分離機を指す広い表現です。一方、卓上遠心機は、作業台や実験台に設置して使う遠心機を指します。
小型で卓上に置ける機種も多いため近い意味で使われることがありますが、対応できるチューブ容量や処理本数は機種によって異なります。15mL・50mLの遠沈管やコニカルチューブを使用する場合は、卓上タイプかどうかだけでなく、対応容量・本数・回転数・遠心力を確認することが大切です。


Q. rpmとgは何が違いますか?

rpmはローターの回転数を示す単位で、1分間に何回転するかを表します。gまたはRCFは、サンプルにかかる遠心力の目安です。同じrpmでもローター半径によってgは変わるため、遠心分離機を選ぶ際は最大回転数だけでなく最大遠心力も確認しましょう。


Q. 15mL・50mLチューブはどの小型遠心分離機でも使えますか?

使えません。小型遠心分離機の中には、1.5mLや2.0mLのマイクロチューブ専用の機種もあります。15mL・50mLの遠沈管やコニカルチューブを使用する場合は、遠心機本体がその容量に対応しているかを確認してください。


Q. 遠沈管とコニカルチューブは何が違いますか?

遠沈管は、遠心分離に使用する管を指す言葉です。一方、コニカルチューブは、底が円すい形になったチューブを指します。
つまり、遠沈管は用途に注目した呼び方、コニカルチューブは形状に注目した呼び方と考えると分かりやすいです。製品や現場によっては、15mL・50mLのコニカルチューブを遠沈管と呼ぶこともあります。


Q. 遠心分離機で使うチューブは何を確認すればよいですか?

使用するチューブの容量、形状、材質、耐遠心力、滅菌の有無などを確認します。
遠心分離機本体が対応していても、チューブ側の仕様が遠心条件に合っていない場合は使用に適さないことがあります。15mL・50mLの遠沈管やコニカルチューブを使用する場合は、遠心機本体の対応容量に加えて、チューブ側の耐遠心力や用途に合う仕様かを確認することが大切です。


Q. 遠心分離機を使用する際に注意することはありますか?

遠心分離機は高速で回転する機器のため、使用するチューブ、液量、回転数、遠心力、遠心時間などを事前に確認することが大切です。具体的な操作方法や運転条件は、使用する機種の取扱説明書や施設のルールに従ってください。


まとめ

小型遠心分離機は、研究室や検査室などで少量のサンプルを遠心分離する際に使われる実験機器です。卓上タイプを選ぶ際は、 本体サイズだけでなく、対応チューブ、処理本数、回転数、遠心力、タイマー、安全機能などを確認することが大切 です。

特に15mL・50mLの遠沈管やコニカルチューブを使用する場合は、その容量に対応した卓上遠心機を選ぶ必要があります。使用するチューブ側の耐遠心力や材質、滅菌の有無などもあわせて確認しましょう。

ビットストロングの卓上遠心機 BS-LC-500-6は、15mL/50mLの遠沈管・コニカルチューブを最大6本まで遠心できる卓上遠心機です。15mL・50mLチューブを使う環境で卓上タイプを探している場合は、仕様を確認して用途に合うか検討してみてください。


関連記事

遠心分離機で使用する遠沈管やコニカルチューブについて、呼び方の違いや選び方を詳しく知りたい方は、以下の記事も参考になります。

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