遠沈管とは?コニカルチューブとの違い・用途・選び方を解説

15mL・50mLの透明なコニカルチューブと黄色キャップを配置した、遠沈管とコニカルチューブの違いを解説するトップ画像

研究室や検査室で、15mLや50mLの細長い透明なチューブを見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。これらは、サンプル調製や遠心分離、細胞回収、培地や試薬の保存など、さまざまな実験・検査の場面で使用されるコニカルチューブです。

コニカルチューブは、底が円すい形になった遠心分離用チューブです。研究や検査の現場では、遠沈管、遠心チューブと呼ばれることもあり、特に15mL・50mLサイズがよく使われます。

また、実験現場では、コニカルチューブや遠沈管を「ファルコンチューブ」と呼ぶこともあります。これは、CorningのFalcon®ブランドの製品名に由来する呼び方として使われることがあり、同じような形状・用途の15mL・50mLチューブを指して使われる場面もあります。

コニカルチューブには、容量、遠心強度、滅菌の有無、材質、キャップ形状、自立型・遮光タイプなど、確認したい仕様が複数あります。この記事では、コニカルチューブと遠沈管の違い、ファルコンチューブとの関係、用途や選び方を解説します。


この記事の要点

  • コニカルチューブとは、底が円すい形になった実験用チューブです。
  • 遠沈管とは、遠心分離に使う管や容器を指す言葉です。
  • コニカルチューブは形状に注目した呼び方、遠沈管は用途に注目した呼び方です。
  • 15mL・50mLの円すい底チューブは、コニカルチューブ、遠沈管、遠心チューブと呼ばれることがあります。
  • ファルコンチューブは本来ブランド名ですが、現場ではコニカルチューブ全般を指して使われる場合もあります。
  • 自立型は試薬保存や一時保管に、遮光タイプは光の影響を受けやすい試薬やサンプルの保管に向いています。
  • 選ぶ際は、容量、最大遠心強度、滅菌の有無、材質、キャップ形状、目盛、温度耐性、包装形態などを確認しましょう。

コニカルチューブとは

円すい形の底部が見える透明なコニカルチューブと黄色キャップ

コニカルチューブとは、底が円すい形になったチューブ のことです。英語の「conical」は円すい形を意味するため、チューブの形状を表す名称として使われています。

一般的には15mL・50mLの容量が多く、サンプル調製、遠心分離、細胞回収、培地や試薬の保存などに使われます。側面に目盛や書き込みスペースがある製品も多く、サンプル名や日付、条件を記録しながら管理できます。

コニカルチューブの特徴は、遠心分離後の細胞や沈殿物を円すい形の底部に集めやすい点 にあります。 沈殿物の位置を確認しやすく、上清を除いた後の回収作業にも使いやすい形状です。


遠沈管とは

遠沈管とは、遠心分離に使うチューブや容器を指す言葉 です。

研究や検査の現場では、15mL・50mLのコニカルチューブを遠沈管と呼ぶことが多くあります。一方で、遠沈管という言葉はコニカルチューブよりも広く、円すい底のチューブだけでなく、大容量の遠心容器や遠心瓶・遠心ボトルを含めて使われる場合もあります。

遠沈管は、15mL・50mLのコニカルチューブだけでなく、遠心分離に使う容器全般を含む広い言葉 です。


コニカルチューブと遠沈管の違い

1.5mLマイクロチューブ、15mLコニカルチューブ、50mLコニカルチューブを並べたサイズ比較

コニカルチューブと遠沈管は、実験現場では近い意味で使われます。特に15mL・50mLの円すい底チューブを指す場合は、どちらの名称でも通じることが多いです。

ただし、厳密には意味の中心が少し異なります。コニカルチューブは、底が円すい形になっているという「形状」に注目した呼び方です。一方で、遠沈管は、遠心分離に使うという「用途」に注目した呼び方です。

用語説明表例
コニカルチューブ底が円すい型のチューブ15mL・50mLの円すい底チューブ
遠沈管遠心分離に使用する容器15mL・50mLのチューブ、大容量の遠心容器
遠心チューブ遠心に使うチューブ全般マイクロチューブ、コニカルチューブ、遠沈管
遠心瓶・遠心ボトル大容量の遠心容器250mL、500mL、1000mLなどの遠心容器

コニカルチューブは形状、遠沈管は用途に注目した呼び方 です。


ファルコンチューブとは?コニカルチューブとの違い

また、実験現場では、15mL・50mLのコニカルチューブを「ファルコンチューブ」と呼ぶこともあります。これは、CorningのFalcon®ブランドの製品名に由来する呼び方として使われることがあり、同じような形状や用途の遠沈管を指して使われる場面もあります。

ファルコンチューブと呼ばれるものは、一般的には遠心分離、サンプル調製、細胞回収、培地や試薬の保存などに使われる15mL・50mLのチューブです。製品分類としては、底が円すい形になったコニカルチューブ、または遠心分離に使う遠沈管に該当します。

つまり、ファルコンチューブは現場で使われる呼び方の一つであり、コニカルチューブや遠沈管と大きく異なる別の種類の容器というわけではありません。製品を選ぶ際は、呼び方だけでなく、容量、材質、最大遠心強度、滅菌の有無、キャップ形状、目盛、書き込みスペースなどを確認するとよいでしょう。

ファルコンチューブは、15mL・50mLのコニカルチューブや遠沈管を指す現場での呼び方として使われることがあります。


コニカルチューブの主な用途

マイクロピペットで透明なコニカルチューブに液体を分注している実験シーン

コニカルチューブは、研究室や検査室で幅広く使われる実験用消耗品です。主な用途には、遠心分離、細胞の回収、サンプル調製、培地やバッファーの保存、試薬の分注、一時保管などがあります。

遠心分離では、細胞や沈殿物を底部に集めるために使用されます。円すい底の形状により、沈殿物が底に集まりやすく、上清を取り除いた後のサンプル回収にも使いやすい点が特徴です。

また、50mLタイプは容量があるため、培地やバッファー、試薬の保存にも使われます。最近では、遠心分離にかける目的だけでなく、試薬保存や作業中の一時保管を目的として、自立型コニカルチューブが選ばれることもあります。

光の影響を受けやすい試薬やサンプルには、遮光タイプのコニカルチューブが使われることもあります。褐色やアンバー色の本体により光を通しにくくし、実験中や保管中の光の影響を抑えたい場面に向いています。

コニカルチューブは、遠心分離だけでなく、サンプル調製や培地・試薬の保存にも使われます。


15mL・50mLコニカルチューブの使い分け

15mLコニカルチューブと50mLコニカルチューブを並べた容量比較

15mLコニカルチューブは、少量のサンプルを扱う作業に向いています。 小規模な遠心分離、細胞回収、試薬の分注、少量サンプルの保管などに使いやすい容量です。

50mLコニカルチューブは、多めのサンプルや液体を扱う場合に向いています。 培地やバッファーの保存、洗浄工程、細胞懸濁液の処理、多めのサンプル調製などに使用されます。

また、 50mL自立型は、作業台上で立てて置きやすいタイプです。 遠心分離よりも、試薬保存、分注作業中の一時置き、作業台上でのサンプル管理に向いています。

少量サンプルには15mL、多めのサンプルや培地・バッファーの保存には50mLが使いやすいです。


コニカルチューブの選び方

コニカルチューブを選ぶ際は、容量だけで判断するのではなく、遠心強度、滅菌の有無、材質、キャップ形状、目盛・書き込みスペース、自立型・遮光タイプ、包装形態などを使用目的に合わせて確認しましょう。


容量で選ぶ

一般的には15mLと50mLが多く使われます。少量サンプルであれば15mL、多めの液量を扱う場合は50mLが選択肢になります。

ただし、容量はサンプル量だけで決めるものではありません。使用する遠心機やローター、アダプターがその容量に対応しているかも確認する必要があります。 遠心分離に使う場合は、チューブの容量と遠心機側の対応条件をあわせて確認 しましょう。


最大遠心強度で選ぶ

遠心機のローターにコニカルチューブをセットしている実験シーン

コニカルチューブは製品ごとに対応する最大遠心強度が異なります。遠心強度は「×g」や「RCF」といった表記で示されることが多く、数値が高いほど強い遠心条件に対応できます。

遠心分離を行う場合は、実験条件に対してチューブの耐遠心強度が十分かを確認する必要があります。特に高速で遠心する場合や、沈殿物をしっかり回収したい場合は、最大遠心強度を確認しましょう。

遠心分離に使用する場合は、 チューブが実験条件の遠心強度に対応しているかを確認することが重要 です。


滅菌済みかどうかで選ぶ

コニカルチューブには、滅菌済みタイプと未滅菌タイプがあります。細胞培養、微生物検査、核酸やタンパク質を扱う作業など、 コンタミネーションを避けたい用途では、滅菌済みかどうかを確認することが大切 です。

一方で、用途によっては未滅菌タイプが使われることもあります。購入時には、商品名や仕様欄に「滅菌済み」「未滅菌」「個包装」「ラック入り」などの表記があるかを確認しましょう。


材質で選ぶ

コニカルチューブの材質には、ポリプロピレン、ポリスチレン、PETなどがあります。なかでもポリプロピレン製のチューブは、遠心分離用として多く使われています。

材質は、薬品耐性、温度耐性、透明性、遠心時の強度に関わります。 扱う試薬や保存条件によって適した材質が異なるため、使用するサンプルや実験条件に合わせて確認しましょう。


目盛・書き込みスペースで選ぶ

コニカルチューブを選ぶ際は、目盛や書き込みスペースも確認しましょう。目盛が見やすいと、おおよその液量を確認しやすくなります。

また、複数のサンプルを扱う実験では、チューブ側面の書き込みスペースが重要です。サンプル名、日付、濃度、処理条件などを記録できるため、サンプルの取り違え防止にもつながります。

複数のサンプルを扱う実験では、 目盛の読みやすさと書き込みスペースの有無が作業性に関わります。


温度耐性で選ぶ

冷凍保存やオートクレーブを行う場合は、対応温度を確認しましょう。低温保存、超低温保存、加熱、オートクレーブなどを想定している場合は、製品仕様に記載された温度範囲を確認する必要があります。

冷凍保存やオートクレーブを行う場合は、使用する温度条件に対応しているかを確認 しましょう。


自立型・遮光タイプで選ぶ

クリアタイプ、自立型、遮光タイプのコニカルチューブを並べた比較画像

自立型は、底部が立つ形状になっており、作業台上で置きやすいタイプです。遠心分離にかける目的よりも、試薬保存、サンプルの一時保管、分注作業中の置き場として使いやすい点があります。

遮光タイプは、褐色やアンバー色の本体により光を通しにくくしたタイプです。光の影響を受けやすい試薬やサンプルの実験・保管に向いています。

自立型は試薬保存や一時保管に、遮光タイプは光の影響を受けやすい試薬やサンプルの保管に向いています。


包装形態で選ぶ

コニカルチューブには、バルクパック、ラックパック、個包装、チャック付きパックなど、さまざまな包装形態があります。

使用頻度が高い場合は、まとめて取り出しやすいバルクパックが便利です。清潔に管理したい場合や、コンタミネーションを避けたい場合は、ラックパックや個包装が選択肢になります。 保管スペースや使用頻度、作業環境に合わせて選びましょう。


コニカルチューブをお探しの方へ

15mL・50mLのコニカルチューブを選ぶ際は、使用する作業に合わせて、容量、形状、遮光性の有無を比較すると選びやすくなります。 標準的な遠心分離やサンプル調製にはクリアタイプ、光の影響を受けやすい試薬やサンプルの保管には遮光タイプ、試薬保存や作業台上での一時保管には自立型 が選択肢になります。

Bitstrongでは、用途に合わせて選べる滅菌済みコニカルチューブとして、BS-TUBE-CTBシリーズを取り扱っています。


BS-TUBE-CTBシリーズ

BS-TUBE-CTBシリーズでは、15mL・50mLのクリアタイプ、遮光タイプ、50mL自立型を選べます。いずれも25本入りの滅菌済みタイプで、サンプル調製や遠心分離、試薬やサンプルの保管に使用できます。

型番容量・タイプ
BS-TUBE-CTB15YE15mL クリア
BS-TUBE-CTB15YE-AM15mL 遮光
BS-TUBE-CTB50YE50mL クリア
BS-TUBE-CTB50YE-AM50mL 遮光
BS-TUBE-2SCTB50YE50mL クリア 自立型

BS-TUBE-CTB15YE:15mL クリアタイプ
BS-TUBE-CTB15YEは、15mLのクリアタイプのコニカルチューブです。少量サンプルの調製、小規模な遠心分離、試薬の分注、一時保管などに使いやすい標準的なタイプです。

BS-TUBE-CTB15YE-AM:15mL 遮光タイプ
BS-TUBE-CTB15YE-AMは、15mLの遮光タイプです。光の影響を受けやすい試薬やサンプルを少量で扱う場合に向いています。クリアタイプでは光の影響が気になる作業や保管条件で選択肢になります。

BS-TUBE-CTB50YE:50mL クリアタイプ
BS-TUBE-CTB50YEは、50mLのクリアタイプです。多めのサンプル調製、培地やバッファーの保存、洗浄工程など、容量が必要な作業に使いやすいタイプです。

BS-TUBE-CTB50YE-AM:50mL 遮光タイプ
BS-TUBE-CTB50YE-AMは、50mLの遮光タイプです。光の影響を受けやすい試薬やサンプルを、50mL容量で保管・管理したい場合に向いています。

BS-TUBE-2SCTB50YE:50mL クリア 自立型
BS-TUBE-2SCTB50YEは、50mLのクリア自立型です。 底部が立つ形状のため、作業台上で置きやすく、試薬保存や分注作業中の一時保管に使いやすいタイプ です。遠心分離だけでなく、保存容器としてコニカルチューブを使いたい場合にも適しています。

コニカルチューブは15mL・50mLのサンプル調製や保存に使われますが、より少量のサンプルや試薬を扱う場合は、マイクロチューブが使われることもあります。1.5mLなどの小容量チューブの使い方や選び方については、マイクロチューブの記事も参考にしてください。

用途に合わせて、15mL・50mL、クリアタイプ、遮光タイプ、自立型などを選ぶことが大切 です。


よくある質問

Q. コニカルチューブとは何ですか?

マイクロチューブとは、微量の液体サンプルや試薬を入れるための小型チューブです。遠心、分注、サンプル調製、核酸抽出、PCR関連作業、試薬や検体の保存などに使用されます。


Q. 遠沈管とは何ですか?

遠沈管とは、遠心分離に使う管や容器を指す言葉です。15mL・50mLのコニカルチューブも遠沈管に含まれますが、大容量の遠心容器や遠心瓶を含めて使われる場合もあります。


Q. コニカルチューブと遠沈管の違いは何ですか?

コニカルチューブは底が円すい形であることに注目した呼び方で、遠沈管は遠心分離に使う容器という用途に注目した呼び方です。実験現場では、15mL・50mLの円すい底チューブをどちらの名前でも呼ぶことがあります。


Q. ファルコンチューブとは何ですか?

ファルコンチューブは、CorningのFalcon®ブランドの製品名に由来する呼び方として使われることがあります。実験現場では、15mL・50mLのコニカルチューブや遠沈管を指して使われる場面もあります。


Q. 15mLと50mLのコニカルチューブはどう使い分けますか?

15mLは少量サンプルや小規模な遠心分離に向いています。50mLは多めのサンプル、培地、バッファー、洗浄工程など、容量が必要な作業に向いています。


Q. 1.5mLチューブはどのような用途で使いますか?

1.5mLチューブは、遠心、サンプル調製、核酸抽出、PCR関連作業、試薬や検体の小分け、保存などに使われます。扱いやすい容量であり、研究室や検査室で幅広く使用されます。 


Q. 自立型コニカルチューブは何に使いますか?

自立型コニカルチューブは、底部が立つ形状になっているため、作業台上で置きやすいタイプです。遠心分離だけでなく、試薬保存、サンプルの一時保管、分注作業中の置き場として使いやすい点があります。の対応範囲を超えないように注意します。


Q. 遮光タイプのコニカルチューブは何に使いますか?

遮光タイプのコニカルチューブは、光の影響を受けやすい試薬やサンプルの保存に使われます。褐色やアンバー色の本体により光を通しにくくし、実験中や保管中の光の影響を抑えたい場合に向いています。


Q. コニカルチューブを選ぶときは何を確認すればよいですか?

容量、最大遠心強度、材質、滅菌の有無、底の形状、遮光タイプかどうか、キャップの密閉性、目盛、書き込みスペース、温度耐性、包装形態を確認すると選びやすくなります。


Q. 滅菌済みと未滅菌の違いは何ですか?

滅菌済みは、微生物の混入を抑える処理がされた状態です。清潔性が必要な作業や検体処理では、滅菌済みのチューブが選ばれる場合があります。未滅菌のチューブは、用途に応じてそのまま使用する場合や、使用前にオートクレーブ処理を行う場合があります。


Q. オートクレーブ対応とは何ですか?

オートクレーブ対応とは、高温・高圧の蒸気滅菌に対応していることを意味します。コニカルチューブをオートクレーブ処理に使用する場合は、製品ごとの対応温度や使用条件を確認する必要があります。


まとめ

コニカルチューブとは、底が円すい形になった実験用チューブ です。遠沈管や遠心チューブと呼ばれることもあり、遠心分離、サンプル調製、細胞回収、培地や試薬の保存などに使用されます。 コニカルチューブを選ぶ際は、容量、最大遠心強度、滅菌の有無、材質、キャップ形状、目盛・書き込みスペース、温度耐性、自立型・遮光タイプ、包装形態を確認します。 15mL・50mLコニカルチューブを探している場合は、クリアタイプ・遮光タイプ・50mL自立型を展開するBS-TUBE-CTBシリーズから、用途や保管条件に合わせて選ぶことができます。 

用途や作業環境に合わせて、適した15mL・50mLコニカルチューブを選ぶことが大切 です。

少量サンプルや1.5mL前後のチューブを検討している場合は、マイクロチューブの記事も参考になります。

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