土壌測定器・土壌酸度計の選び方|pH・EC・水分・NPKの基礎と測り方ガイド

収量を増やし、品質を安定させるためには、畑や温室の土が今どんな状態かを把握しておくことが欠かせません。近年は気候変動や異常気象の影響で、同じほ場でも年ごとに生育環境が大きく変わりやすくなっています。天候や病害虫だけでなく、土壌そのものの状態を定期的にチェックし、維持・改善していくことが以前にも増して重要になっています。

これは人でいえば、定期的に健康診断を受けて血圧や血液の数値を確認するのと同じで、「土の健康診断」をしていくようなものです。そのときに役立つのが、土壌測定器(土壌pH計・土壌酸度計・土壌水分計・土壌EC計など)や土壌検査キットです。

この記事では

  • 土壌の健康状態を見るうえで重要な指標
  • 土壌測定器・土壌検査キットを使った基本的な測定方法
  • 測定結果を実際の栽培にどう活かすか

という3つのポイントをわかりやすく整理します。それでは早速見ていきましょう。

1.土壌の健康を決める主な指標

人の健康診断で血圧だけでなく血糖値やコレステロールも見るように、土壌も複数の項目をあわせて確認することが大切です。代表的なチェック項目は次のとおりです。

窒素(N) 葉や茎を育てるための主な栄養
リン(P) 根や花・実を育てるための栄養
カリウム(K) 病気や暑さ・寒さなどストレスに強くする栄養
pH値 土が酸性かアルカリ性か(肥料成分をどれだけ吸収しやすいかに影響)
電気伝導度(EC) 肥料・塩類の「濃さ」の目安(肥料過多かどうかの指標)
水分量 根が呼吸しながら水と栄養を吸えるかどうか
温度 根の活動しやすさや、微生物の働きに影響

ざっくり分けると、次の2グループになります。

  • N・P・K … 作物にとっての「栄養の量
  • pH・EC・水分・温度 … その栄養を根がきちんと吸収できる「環境

この2つを分けて考えることで、

  • 肥料の量を見直すべきなのか
  • 水分やpHなど「土の環境」を整えるべきなのか

といった対策の方向性が整理しやすくなります。

2.土壌を「今すぐ測る」には何を買えばいい?

土壌の状態を調べる代表的な方法は、大きく「ラボに依頼する土壌分析」「自分で測れる土壌測定器(機器タイプ)」「自分で使える土壌検査キット(試薬タイプ)」の3つに分けられます。

イメージとしては、ラボ分析は人間ドックのような本格的で高精度の検査、土壌測定器は体温計や血圧計のように何度でも使える道具、検査キットは一度きりの簡易検査キットに近い位置づけです。

日常的に何度も測るには上記のような土壌測定器が向いており、シーズンの節目など「一度しっかり栄養状態を確認したい」場合には検査キットやラボ分析が役立ちます。この記事ではここまでで土壌の基本を整理してきましたが、ここからは日々の管理に役立つ土壌測定器を主役に、目的別にどのように選べばよいかをご紹介していきます。

2-1.家庭菜園・小規模向け:最初の1台(土壌酸度計 BS-SC-LY101)

家庭菜園や小さな畑の場合は、まず「今の土が酸性寄りか/乾きすぎていないか」といった大まかな傾向が分かるだけでも、栽培の失敗がぐっと減ります。

BS-SC-LY101は、土に差し込むだけでpH値と肥沃度(おおまかな栄養レベル)、水分の3項目をまとめて確認できるアナログタイプの土壌測定器です。電池不要のベーシックモデルで、「まずはpHと水分の傾向を知りたい」「複雑な操作は避けたい」という方でも気軽に使えます。

おおよその酸度と水分の状態をつかんで、極端な酸性や乾燥を避けたい……という家庭菜園・小規模ほ場の「最初の1台」として位置づけやすいモデルです。

2-2.家庭菜園・小規模向け:地温も見たい場合(土壌酸度計 BS-SC-LY201)

苗づくりやプランター栽培、ハウス内の育苗ベッドなどでは、pHや水分に加えて「根の周りの温度」を確認したい場面が増えてきます。とくに春先や秋口の立ち上がり時期は、地温の違いが初期生育の差につながりやすいポイントです。

BS-SC-LY201は、pH値・水分・土壌温度をデジタル表示で同時に確認できる土壌pH計です。バックライト付きLCDで屋外の畑やハウス内でも数値が見やすく、暗い時間帯の作業やハウスの奥まった場所でもストレスなく使えます。

「pHと水分に加えて、育苗期やハウス栽培で地温もあわせて管理したい」という方には、アナログタイプからのステップアップ機として選びやすいモデルです。

2-3.施設栽培・プロ向け:ECまで踏み込む(土壌EC計 BS-SC-LY606)

施設栽培や中規模以上の農場では、「塩類集積(EC)の上がりすぎが気になる」「施肥量を細かく調整して収量と品質を安定させたい」といったニーズが増えてきます。この段階になると、pHや水分だけでなくEC(電気伝導度)の管理が欠かせません。

BS-SC-LY606は、土壌のEC値(電気伝導度)と土壌温度を測定できる高精度土壌EC計です。ハウス栽培・施設栽培での塩類集積チェックや施肥量の見直し、灌水方法の改善など、「もう一歩踏み込んだ管理」をしたい場面に向いています。

「最近ECが高めに出る」「肥料やけが気になる」といった課題を感じている場合に、日常的な指標として使いやすい1台です。

2-4.施設栽培・プロ向け:NPKまで踏み込む(土壌栄養素測定器セット BS-SC-LY60789)

さらに踏み込んだ施肥設計や、ほ場ごとの栄養バランスを細かく把握したい場合は、N・P・Kと温度まで直接チェックできるタイプが役立ちます。とくに高付加価値作物や、大面積を管理する農業法人では、「栄養の量」をより定量的に押さえておくことが重要です。

BS-SC-LY60789は、土壌中の窒素(N)・リン(P)・カリウム(K)濃度と温度を測定できる、3本セットの土壌栄養素測定器です(金属ケース入り)。pHやECは別の測定器で測り、NPKはこのセットでチェックすることで、「栄養の量(NPK)」と「吸収しやすい環境(pH・EC・水分・温度)」を両方そろえた管理がしやすくなります。

日頃はpH・EC計で状態を追いかけつつ、「施肥設計を見直したい」「ほ場ごとの栄養バランスを把握しておきたい」といったタイミングでNPK測定を組み合わせることで、施肥計画の精度を高めやすくなります。

2-5.試薬キット・ラボ分析との組み合わせ

日常的には土壌測定器でpHやECを追いながら、次のようなタイミングで試薬キットやラボ分析を組み合わせると安心です。

  • 作付け前に、一度土壌の栄養状態をリセットして見直したいとき
  • 新品種や新しいほ場で、基準になるデータをつくっておきたいとき
  • 「生育がなんとなく悪いが、原因がはっきりしない」とき

イメージとしては、

  • 毎日の体調チェック → 土壌測定器
  • 年1回の健康診断 → 試薬キット
  • 数年に1回の人間ドック → ラボ分析

と考えると整理しやすくなります。

3.土壌の健康状態を調べる主な方法

3-1.土壌分析(ラボ分析)

畑の土を一定の手順で採取し、JA・農業試験場・民間分析機関などに送る方法です。即時性はありませんが、もっとも信頼性の高いデータが得られます。

主な項目例:

  • pH(酸性・アルカリ性)
  • EC(電気伝導度)
  • N・P・K、Ca、Mg
  • 有機物含量、CEC(陽イオン交換容量) など

費用は1検体あたり数千円〜、結果は1〜2週間程度で届くことが多く、「毎年〜数年に一度の基準値づくり・大きな方針決め」に向いた方法です。

3-2.土壌測定器・土壌検査キット

土壌測定器(機器タイプ)

  • 土壌pH計・土壌酸度計・土壌水分計・土壌EC計 など
  • センサーを土に差し込む/抽出液に浸して数値を確認

土壌検査キット(試薬タイプ)

  • 土壌を水に溶かし、試薬を加えて色の変化でN・P・KやpHを判定

目安として、

  • 簡易な酸度計・水分計:1,000〜5,000円程度
  • 高精度なEC計・NPK測定器:1万円〜数十万円程度
  • 試薬キット:1〜10回分で数百〜数千円程度

特徴をまとめると、

土壌測定器:

  • 現場ですぐ測れる
  • 繰り返し使えるため中長期的に経済的
  • 精度はラボ分析ほど高くないため、定期的な校正やメンテナンスが必要

土壌検査キット:

  • N・P・Kを直接チェックできるものが多い
  • 「一度きりの肥料診断」には便利だが、使い捨てで細かい推移の追跡には不向き

となります。日々の「体温・血圧測定」が土壌測定器、節目ごとの「簡易検査」が土壌検査キット、というイメージです。

3-3.作物の生育状態から推定する

経験豊富な生産者は、次のような見た目から土壌状態を推測することがあります。

  • 葉色(濃い・薄い・黄化)
  • 葉の縁の枯れ(チップバーン)
  • 生育ムラ(生長の早い株・遅い株)
  • 根の張り具合 など

代表的な例:

  • 葉が全体的に黄化 → 窒素不足の可能性
  • 全体の生育が遅い → リン不足の可能性
  • 葉の縁から枯れ込んでくる → カリウム欠乏の可能性
  • 茎が細く間延びする(徒長) → 窒素過多の可能性

ただし、気温・日照・水分・病害虫など他の要因でも似た症状が出るため、見た目だけで判断せず、土壌測定器や検査キットの結果と組み合わせて判断することが大切です。

3-4.高度なセンサー・ドローン

最近は、IoTセンサーやドローン・衛星画像などを使ったいわゆる「スマート農業」的な診断も広がっています。

  • 土壌センサー:pH・EC・水分・温度をリアルタイムで計測しクラウドで管理
  • ドローン・衛星:作物の葉色や反射光からNDVIなどの指数を算出し、栄養状態を推定

導入コストはかかりますが、大規模農場や農業法人での省力化・品質安定の手段として注目されています。

4.pH・EC・水分・温度の読み方と対策(環境側の見方)

4-1.土壌pH(土壌酸度)

pHは0〜14の数値で示され、

  • 7:中性
  • 7未満:酸性
  • 7超:アルカリ性

を意味します。土壌pHは、肥料成分がどれだけ溶けていて根が吸収しやすいかを左右するため、非常に重要な指標です。

多くの農作物はpH5.5〜7.0程度(とくに6.0〜6.5の弱酸性)を好むものが多いとされています。※作物や品種・土壌条件によって適正pHは変わるため、あくまで一般的な目安です。

pHが低すぎる(酸性に傾きすぎ)場合

  • N・P・Kなどがあっても吸収されにくくなる
  • マンガン・鉄などが溶け出しすぎて、生理障害を起こしやすくなる

pHが高すぎる(アルカリ性に傾きすぎ)場合

  • 石灰の入れすぎなどで起こりやすい
  • マンガン・ホウ素など微量要素の吸収が悪くなり、生理障害の原因になる

急激にpHを動かそうとすると作物へのストレスが大きくなります。土壌酸度計で定期的に様子を見ながら、資材や施肥を少しずつ調整していくことが大切です。

4-2.土壌の電気伝導度(EC)

EC(Electric Conductivity)は、土壌溶液中の可溶性塩類(イオン)の量を反映する指標です。

  • ECが低すぎる → 肥料分が不足している可能性
  • ECが高すぎる → 塩類濃度が高く、肥料やけ・根の乾燥・根腐れなどのリスクが高まる

ECが高いときの代表的な対策例:

  • 施肥量、とくに窒素肥料を見直す
  • 緑肥作物を入れて塩類を吸わせる
  • 深耕や天地返しで塩類分布をならす
  • 施設栽培では、灌水方法を工夫して塩類を洗い流す

ハウスや施設では雨が当たらず施肥量が多くなりやすいため、ECが上昇しがちです。「このくらいのECまでは作物が耐えられる」というレンジを頭に入れつつ、水と肥料のバランスを整えていきましょう。

4-3.土壌水分

土壌水分は、根が呼吸しながら水と養分を取り込むための大前提です。

  • 過度な乾燥 → 水不足・養分吸収の停滞・生育不良
  • 過度な過湿 → 根の酸欠・根腐れ・病害発生リスクの増加

また、水分が減ると同じ量の塩類でも濃度が上がり、ECが高くなる点にも注意が必要です。

土壌水分計を使うことで、目視や手触りでは分かりにくい「根の周辺の水分状態」を数値で把握できます。

スポンジに例えると、乾きすぎたスポンジは水を均一に含めず、水を含みすぎたスポンジは空気が抜けてしまいます。「軽く絞ると水がにじむくらい」をイメージして、水分管理を行うと考えやすくなります。

4-4.土壌温度

温度は、種子の発芽・根の伸長・微生物の活動など、あらゆる生育ステージに影響します。多くの作物では、15〜25℃前後が一つの目安です。

  • 高温すぎる → 蒸散過多で水分ストレス・萎れを起こしやすい
  • 低温すぎる → 根の活動が鈍り、養分吸収が進まず生育が遅れる

土壌温度計や温度機能付き土壌測定器で地温を確認し、マルチや作付時期の調整に活用することで、生育のムラを減らしやすくなります。

5.N・P・Kの役割と、不足・過剰が起きたときの症状

5-1.窒素(N)

役割

  • タンパク質・アミノ酸・葉緑素・酵素などの材料になる
  • 茎葉の生長を促し、光合成能力を高める

不足した場合の代表的な症状

  • 葉色が全体的に薄くなり、黄化が目立つ
  • 生育スピードが落ち、株全体が小さくまとまりやすい

過剰な場合の代表的な症状

  • 葉ばかり茂って徒長しやすくなる
  • 茎が柔らかくなり倒伏しやすい
  • 病害虫にかかりやすくなり、結果として収量や品質が低下する

Nの値が高めに出ていて、見た目も「徒長気味・葉がやたら多い」なら、窒素過多を疑う目安になります。

5-2.リン(P)

役割

  • 根の分岐・伸長を促し、水分・養分の吸収力を高める
  • 花芽の分化や果実の着果・肥大を支える
  • ATPなど、植物体内のエネルギー代謝に関わる

不足した場合の代表的な症状

  • 根張りが悪くなり、倒伏や乾燥に弱くなる
  • 花付きが悪くなる
  • 果実の肥大が遅れ、収量やサイズが伸びにくい

「株はそこそこ育っているが、花数が伸びない・実が太らない」といったときは、リン不足の可能性をN・Kとのバランスと合わせて確認します。

5-3.カリウム(K)

役割

  • 糖・デンプンなど光合成産物の生成・移動を助ける
  • 細胞内の浸透圧を調整し、水分管理をサポートする
  • 多くの酵素反応を活性化し、病害虫・乾燥・寒さなどへの抵抗性を高める

不足した場合の代表的な症状

  • 葉の縁から枯れ込み(縁が茶色くなる)が見られる
  • 病害虫にかかりやすくなる
  • 結果として、収量や品質の低下につながる

過剰との関係

  • 単独で極端な過剰になるというより、窒素・リンとのバランスが崩れやすくなる
  • N・P・K全体のバランスを見ながら施肥量を調整することが重要

カリウムが不足していると、水分ストレスや病害虫の影響を受けやすくなるため、ECや水分の状態とあわせて確認したい要素です。

6.まとめ:土壌の「見える化」で栽培を安定させる

健康な土壌づくりには、

  • N・P・Kといった栄養そのもの
  • pH・EC・水分・温度といった栄養を生かすための環境

の両方を整えることが重要です。

とはいえ、最初からすべての項目を完璧に管理しようとすると負担が大きくなります。まずは次のようなステップで、できるところから始めてみてください。

  • ステップ1: 土壌酸度計(pH計)で、畑ごとのpHの傾向をつかむ
  • ステップ2: 必要に応じて、EC計や土壌水分計で施肥と水やりの状態をチェック
  • ステップ3: シーズンの節目に、検査キットやラボ分析でN・P・Kなどの基準値を確認

データが少しずつたまってくると、「この畑は雨の後にECが上がりやすい」「この作物はpHが低いと調子を崩しやすい」といった、ほ場ごとの“クセ”が見えるようになります。そうした気づきを次のシーズンの施肥計画や作付け計画に反映していくことで、収量や品質のブレを小さくしていけます。

ビットストロングでは、日々の確認に便利な土壌酸度計・土壌EC計・土壌水分計、施設栽培や本格的な施肥設計にも使える栄養素測定器セットなどを取り揃えています。「まずはpHだけ測ってみたい」「ECも含めて、もう少し踏み込んだ管理をしたい」といった目的や栽培規模に合わせて道具を選び、無理なく土壌の見える化を進めていきましょう。

よくあるご質問(土壌測定器)

土壌測定器について、よくあるご質問をまとめました。 詳細は以下のFAQをご覧ください。

 日常的な「土の健康診断」には、畑やハウスでその場ですぐ数値を確認できる土壌測定器(土壌pH計・土壌酸度計・土壌水分計・土壌EC計など)が向いています。
一方、試薬タイプの土壌検査キットや、JA・分析機関に依頼するラボ分析は、N・P・Kや微量要素まで含めたより詳しいデータが欲しいとき、作付け前に基準値をつくりたいときなど、「節目のチェック」に適しています。
イメージとしては、「毎日の体調チェック=土壌測定器」「年1回の健康診断=検査キット」「数年に一度の人間ドック=ラボ分析」と考えると整理しやすくなります。

 家庭菜園・小規模の畑では、まず「今の土が酸性寄りかどうか」「乾きすぎていないか」といった大まかな傾向が分かるだけでも失敗が減ります。
そのため、pH値と水分(場合によっては肥沃度)の3項目をひと目で確認できるアナログタイプの土壌酸度計が、最初の1台として使いやすい選択肢です。電池不要で操作もシンプルなので、「まずはpHと水分の傾きを知りたい」「難しい操作は避けたい」という方に適しています。

施設栽培やハウスでは、施肥量が多くなりやすく雨も当たりにくいため、塩類集積や肥料過多が問題になりがちです。そのため、
・土壌pH(酸度)
・EC(電気伝導度:肥料・塩類の「濃さ」の目安)
・水分量
・土壌温度(地温)
の4項目を組み合わせて管理するのがおすすめです。
さらに、施肥設計を細かく見直したい場合は、N・P・K濃度も測定できる土壌栄養素測定器を組み合わせることで、「栄養の量」と「吸収しやすい環境」を両方そろえた管理がしやすくなります。

作物やほ場の条件にもよりますが、記事内の考え方としては、次のようなタイミングでの定期チェックが目安になります。
・作付け前:そのシーズンの基準値づくりとしてpH・ECを確認
・定植〜立ち上がり期:初期生育が安定しているかを確認
・追肥・資材投入の前後:施肥やpH調整資材の効果を見たいとき
・生育が不安定なとき:葉色や生育ムラなど気になる症状が出たとき
すべてを毎日測る必要はありませんが、「作業の節目+気になるタイミング」でこまめに記録しておくと、シーズンをまたいだ比較がしやすくなります。

N・P・Kの測定は、主に次のような場面で役立ちます。
・高付加価値作物や大規模ほ場で、施肥設計を細かく見直したいとき
・ほ場ごとの栄養バランスを把握したいとき
・「葉色が薄い」「花付きが悪い」「葉の縁から枯れる」など、栄養バランスの乱れが疑われる症状が出たとき
土壌栄養素測定器でN・P・Kを確認しつつ、pH・EC・水分・温度を別の測定器で追いかけることで、「栄養の量」と「吸収しやすい環境」をセットで考えやすくなります。

経験豊富な生産者は、土壌測定器の数値に加えて、葉色や葉の縁の枯れ込み、生育ムラ、根張りといった見た目からも土壌状態を推測します。たとえば、
・葉全体の黄化:窒素不足の可能性
・花付きが悪い・実が太らない:リン不足の可能性
・葉の縁からの枯れ込み:カリウム欠乏の可能性
・茎が細く徒長気味:窒素過多の可能性
などが代表例です。
ただし、気温・日照・水分・病害虫など別の要因でも似た症状が出るため、見た目だけで断定せず、土壌測定器や検査キットの結果と組み合わせて判断することが重要です。

土壌の栄養(N・P・Kなど)を測る「土壌栄養測定」の方法は、大きく分けて次の3つがあります。
・ラボ分析
JAや分析機関に土を送る方法で、N・P・Kのほか微量要素まで詳しく分かります。精度が高く、「基準値づくり」や大きな方針決めに向いています。
・試薬タイプの土壌検査キット
土を水に溶かして試薬を入れ、色の変化からN・P・KやpHを判定する方法です。「肥料の効き方を一度チェックしたい」ときの簡易な土壌栄養測定に便利ですが、使い捨てなので経時変化の追跡にはあまり向きません。
・土壌栄養素測定器(NPKセンサー)
N・P・K濃度と温度をその場で繰り返し測定できるタイプです。pH・EC計と組み合わせることで、「栄養の量」と「吸収しやすい環境」を同時に管理しやすくなります。
栽培規模が小さい場合は試薬キットから、大きくなってきたらNPK測定器+pH・EC計という形でステップアップするのがおすすめです。

家庭菜園クラスでも、連作や追肥を続けていると、気づかないうちに栄養バランスが崩れることがあります。そのため、ライトな土壌栄養測定から始めておくと、トラブルの予防に役立ちます。
最初の段階では、
・土壌酸度計でpHの傾向をつかむ
・必要に応じて簡易な試薬キットでN・P・Kの状態を一度チェックする
といった「お試しレベルの土壌栄養測定」だけでも、
・肥料のやり過ぎ・不足の目安がつく
・作物の黄化や花付き不良の原因を絞り込みやすくなる
といったメリットがあります。
そのうえで、「もっと栄養バランスを細かく見直したい」「毎年同じほ場でデータを蓄積したい」という段階になったら、NPK測定器やラボ分析を組み合わせていく、という順番がおすすめです。

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