温度測定方法の特徴と製品
温度の測定は、温度により影響を受ける物体の様々な性質を利用しています。
製品に採用されている時点で、最適な方式が選択されているため、日常の利用で原理を理解する必要がある場面はありませんが、測定方法の特長をご理解いただけると、最適な商品の選択が可能になると思いますので簡単にまとめてみました。
まず、測定シーンから接触式と非接触式に分かれます。
■接触式
接触式は、抵抗値が温度で変わる半導体や白金、その半導体をICチップ化してアナログ電圧値やデジタル値を出力するようにしたもの、2種の金属の接点での起電力を利用するものなどの電気式と、2つの接合した金属や封入した液体の熱膨張を利用する機械式に分類されます。
一般的な温度測定の電子機器は、接触型では半導体ICチップセンサー、PT100、PT1000など白金温度抵抗体センサー、熱電対が使用されています。
1. 半導体(サーミスタ)ICチップセンサー
温度測定範囲が狭く、直線性に難がありますが、小型・高感度・安価で他のセンサーや機能との一体化が可能なため広く使用されています。
弊社製品では、風速計や温湿度ロガーに採用されています。
2. 白金温度抵抗体センサー
600℃までの高温測定が必要な場合は、比較的高価な白金温度抵抗体センサー、それを超える場合は、熱電対が使用されます。
弊社製品では、高温対応の温度ロガーに採用されています。
■非接触式
非接触式は、赤外線を熱に変換して計測する赤外線センサーと、それを複数配列した撮像素子に代表されます。
他に、赤外線が半導体(フォトダイオード)に当たって発生する起電力や光ファイバー内での拡散を利用したもの、表面弾性波の速度変化を利用するものなどがありますが、一般的な温度測定で使用されるものではありません。
1. 赤外線センサー
非接触では、赤外線センサー素子を使用する製品が普及しています。
弊社製品では、非接触を生かして安全に計測が可能なため、人体、動物などの医療用体温計や、多数の出入りがある施設の入室監視用の機器に採用されています。
2. サーモグラフィカメラ
赤外線センサー素子を2次元に配列し、画像データを出力するとサーモグラフィカメラになり、2次元の温度分布表示による監視、観察に使用します。
弊社は、AI顔認証などを組み合わせて、発熱監視以上の記録管理機能を持たせた製品まで用意しております。
以上を表にまとめました。
※IC化が不明なのもはサーミスタに分類してあります。
表 温度測定方法の特徴と製品例
