0~400ppmのCO2濃度も測定できるCO2メーターは温室や植物工場で、作物の収穫量を増やすためのCO2の施用やCO2不足時の換気の判断基準としてCO2濃度の測定に有効活用できます。
■CO2メーターの使い方
1. 適切な場所に設置
- 作物の成長を促進させたい位置(一般的には生長点付近)に装置を設置します。
これにより、植物が実際に利用しているCO2濃度を正確に把握できます。 - 窓やドア、換気口の近くなどで外気が直接センサーに当たる場所、暖房機や送風ダクトの吹き出し口付近など気流が強く、温度や湿度の変化が大きい場所は正確な測定ができないため避けます。
- 人の呼気にはCO2が多く含まれるため、人から50cm以上離して設置します。
- 施設全体の平均的な濃度を測る場合は、中央付近など代表的な場所のほか、複数のセンサーを設置します。
2. 目標濃度を得るための測定
- 温室や植物工場などの密閉空間で、光合成が盛んになると、CO2濃度が一般的な外気の約400ppmより下がり、光合成が阻害されます。
この対策のため、400ppmを目標に、換気やCO2の施用をします。 - 500〜1000ppm程度の高濃度に設定して光合成を促進する場合は、これを目標にしてCO2を施用します。(下表参照)
CO2の施用は、光合成が行われる日中(日の出から日の入り1時間前まで)に行いますが、日射量や温度に応じて目標濃度を調整すると効果を高めることができるため、施用時に測定して目標のCO2濃度になるようにします。
作物ごとの最適なCO2濃度
| 作物 | 最適なCO2濃度(ppm) | 備考 |
| トマト、ミニトマトなどの 果菜 | 800〜1,000 | ・約800 ppmが一般的。 ・1,000 ppmを超えると葉の変色や花粉異常のリスク。 |
| イチゴ | 500〜1,000 | ・正午あたりの500 ppm程度でも増収効果がある。 |
| きゅうり | 600〜1,000 | ・春、夏は800〜1,000 ppm、日照が少ない時は約600 ppm。 |
| 葉菜 | 800〜1,000 | 育苗期やレタスでは左記の範囲を推奨。 |
| 稲、小麦などのC3穀類*1 | 800〜1,000 | 左記の値で収量が40〜100%増加する可能性がある。 |
| トウモロコシ、サトウキビ、 アワ、ヒエなどのC4穀類*2 | ー | CO2濃度上昇による収量増加は10〜25%程度と小さいため、施用のコスパを考慮して判断。 |
*1 C3穀類:取り込んだCO2から炭素3個の化合物を最初に作る。高温や乾燥した環境で、蒸散を防ぐために気孔を閉じるとCO2不足に陥る。
*2 C4穀類:取り込んだCO2を炭素4個の化合物に固定し濃縮する。これにより効率的にCO2を利用することができる。
■弊社CO2メーターの特長
温室や植物工場で必須の400ppm以下のCO2濃度が測定できる、下記の3機種をラインアップしています。
ポータブル卓上CO2/温度/湿度モニター BS-CO2D-AGn16
- 内蔵の充電池で稼働するため、ポータブルに温室内を移動しながら測定できます。
- 温度、湿度も測定します。


卓上CO2/温度/湿度/RTCモニター BS-CO2D-AGn31
- モバイルバッテリーを使用すれば、温室内を移動しながら測定できます。
- 温度、湿度も測定します。
- 最大24時間のCO2濃度の変化をチャートで表示します。
- 高濃度にCO2を施用する時に、アラームが有効です。

卓上CO2/温度/湿度/RTCロガー BS-CO2D-AG500
- モバイルバッテリーを使用すれば、温室内を移動しながら測定できます。
温度、湿度も測定します。 - micro SDカードにデータを保存し、PCで確認ができます。32GBのカードを使用すれば、理論値で約5年分のデータを保存できます。
- 高/低濃度のアラーム設定ができるため、高濃度に施用する時やCO2の不足の監視に有効です。


