PAR*1メーターは、PPFD*2を測定することができるため、人工光源の位置や出力を最適にするために温室や植物工場では必須の装置です。
■一般的な使用方法
- 装置が正しく校正されていること、センサーに汚れが付着していないことを確認します。
- センサーは植物の一番高い位置の葉の先端に設置します。
この時、光源に対して垂直になるようにします。複数の光源が天井に設置されている場合は、水平に設置します。 - 中心となる場所以外に、温室や植物工場の複数の場所を測定して、光の分布を把握することも、全体の最適化には有効です。
- PPFD測定値にしたがって、光源の位置や出力を最適化します。
■一般的なPPFD最適値の目安
植物により異なりますが、一般的な目安は下記のようになります。
育苗・クローン期:100~300 µmol/m²/s
栄養成長期:300~600 µmol/m²/s
開花初期:600~900 µmol/m²/s
開花終盤:900~1200 µmol/m²/s
■多段式垂直農法のレタス工場での使用例
植物工場では、各棚の照射を均一にし、収穫量を安定させることが主な目的となります。
- センサーをレタス中央の成長点に設置します。
- レタスの成長により、光源との距離が短くなるため、定植時と収穫1週間前には必ず確認します。
- 栽培棚の中央だけでなく、四隅など複数のポイントも測定します。
端のPPFD値の低下対策にための、反射板や光源の配置調整のデータが得られます。 - PPFD値を下記の目安に調整します。
育苗期:100~200µmol/m²/s、定植~収穫期:200~350µmol/m²/s
- 光源が安定している植物工場では、PPFD値から、管理指標DLI*3が算出できます。
PARメーターで測定したPPFD値に、照射時間を掛け合わせて計算します。
計算例:PPFDが200µmol/m²/sの照明を15時間照射した場合
(300×3600秒×15時間)÷1,000,000=16.2mol/m²/d
※レタスのDLIの目安は、12~17 mol/m²/dとされています。
*1 PAR(Photosynthetically Active Radiation):光合成有効放射
*2 PPFD(Photosynthetic Photon Flux Density):光合成光量子束密度=植物が光合成に利用する光の量
*3 DLI(Daily Light Integral):日次積算光量、日射量=1日に植物が受ける光の総量
■弊社PARメーター製品の特長
ポータブルPARメーター センサー分離型BS-APM130とポータブルPAR/DLI測定防水ロガー BS-APM033を用意しています。
BS-APM130
防水機能が有りませんが、単回の測定や、点滴潅水での常設使用ができます。
三脚穴付きの分離センサーと1.5mカールコードや3.56mケーブルにより、任意の場所にセンサーを常設し、手元で確認ができます。

BS-APM033
IP65の防水性能を持っているため、スプリンクラーやミストによる潅水設備に対応できます。
本体裏面に三脚穴が付属しているため、三脚、一脚などで任意の場所に常設できます。
5年分のロガー機能、DLI測定機能を持っているため、光量が変化する屋外での測定にも有効です。




