車載用フリーザー使用のメリット
最初に保冷剤を入れた冷凍ボックスで運ぶことに対して、車載用のフリーザーを使用するメリットについて解説します。
1. 温度を安定して維持可能
冷凍ボックスと保冷剤は時間が経つにつれて温度が上昇するため、長時間の輸送には不向きです。
これに対して、車載用フリーザーは設定した温度範囲を常に維持できるため、温度変化に敏感な医薬品やワクチンなどを安全に保管・輸送できるため、それらの品質管理に大きなメリットがあります。
2. 輸送時間や距離に左右されず、ハプニングにも安心
保冷剤は使用時間に限界があるため、長距離や長時間の輸送にリスクがありますが、車載用フリーザーは車から供給される電源を使い長時間稼働できます。
したがって、遠距離配送や予期せぬ渋滞にも安心です。
3. 温度設定の細かい調整による品質と安全性の確保
車載用フリーザーは温度を細かく設定できるため、輸送対象に最適な温度での輸送が可能です。
これにより、冷やしすぎや温度不足といったリスクを防げ、安定した保管状態が保てます。
例えば特定の温度管理が求められるインスリンなどは、温度が不安定だと効果が低下するリスクがあるため、車載用フリーザーを使用すると輸送中の品質を確実に保てます。
冷凍ボックスと保冷剤では細かい調整が難しく、適温の維持に限界があり、輸送対象の品質確保に不安があります。
4. 複数回の利用に適している
保冷剤は、再冷凍が必要で、冷凍庫、保管スペースや準備の時間が必要になります。
これに対して、車載用フリーザーは電源を入れるだけで何度でも使用できます。
頻繁に輸送が必要な輸送対象では、車載用フリーザーの方が手間やコストが節約できます。
5. 急な使用にも対応できる
車載用フリーザーは電源を入れるとすぐに温度を調整し始めるため、急な配送や移動が発生すた際にもすぐに対応できます。
一方、保冷剤は、再冷凍の時間が必要で、準備が無いと急な輸送には対応しにくいことがあります。
6. 保管に利用できる
車載用フリーザーは、AC電源で使用できるため、輸送前後の一次的な保管にも利用できます。
例えば、ワクチン接種会場に持ち込み、そのまま臨時の冷凍庫として使用できます。
冷凍トラックや冷凍ボックスでは不可能です。
冷凍ボックスと保冷剤での輸送は安価、軽量で手軽に感じられますが、温度管理が難しいため、医薬品の品質管理が重要な場面では車載用フリーザーのほうがより信頼できる選択肢と言えます。
用途と適応製品
弊社製品の用途にたいする適応について説明します。
再生医療などで使用する幹細胞などの輸送に必要なドライアイスレベル-80℃の冷凍能力が求められる場合は、DW-80WZ15の一択となります。
※振動の影響を受けやすい構造になっているため、運用にはエアーサスペンショントラックでの使用、耐震パレットとの併用をお勧めします。
※DCは24Vのみで作動します。12Vでは作動しません。

他の機種は、多くの医薬品、ワクチンなどの輸送に必要な、2~9℃の冷却能力を持っていますので、容量、大きさ、重さや価格からの選択になります。

在宅医療など少量の薬品を運ぶ用途では、軽くコンパクトなHZY-15Zが適しています。
厳密に-20℃が不要で、-18℃でもOKという用途では、BCD60/115が選択できます。
60Lで十分な場合はBCL60、大容量が必要な場合は1BCL115を選択できます。
-20℃が必須の用途では、キャリーハンドル、キャスター付きで取り回しが楽で、50Lと少し小容量ですが、BCD60より安価なALG50がお勧めできます。
※BCD60/115、ALG50は庫内温度をリアルタイムで監視し、 4G回線を使用してサーバーに保存した温度ログなどを確認できる温度遠隔監視システムU-COOLを搭載していますので、別途登録、通信費を支払うだけでご利用いただけます。



-20℃の冷凍能力に加え、一部の点眼薬、ビタミン剤、サプリメント、電子部品など常温付近の保温能力が必要な用途では、温度範囲が広く汎用性の高いHZY-40Zをお勧めします。

車載用フリーザー選択チャート
